絶滅危惧する、プロフェッショナル

2018.04.26 Thursday 13:09
0

     

     

    世の中は流動的に変化をし続け、それは、科学や技術の進歩の加速に急かされるようだ。

     

    ボクはかつて、デザインの仕事に従事していて、コンピュータの導入で翻弄され続けた。

     

    様々な職業には、様々なプロの職人が存在して、主に手作業で匠を極めていた気がする。

     

     

    にわかにアップル社のマッキントッシュを導入するや否や業界全体が振り回されたのだ。

     

    ボクは会社の指示でまだマニュアルもない時代、自力で学習しながら同時に仕事もした。

     

    ゼロからの模索の中で、根底となる土台から自ら技術を手にした、と半ば自負している。

     

     

    でも、パソコンが世に普及してからの人には、あらゆる過程を省けるのも事実に思える。

     

    その過程で、廃業に追い込まれた業種は数知れず。印字職人、製版職人など廃業の連鎖。

     

    印字における文字詰めなど。製版における色の微妙なニュアンスなど。技が物を言った。

     

     

    正直パソコンでただ打っただけの個々の文字は、詰めがバラバラだし何より美しくない。

     

    色も然り。才能だけで出来るなら、それ程に容易いことはない。味わいの欠如を感じる。

     

    ボクは、アナログからデジタルへ移行する過程で多くを学んだ。謙虚に捉え、未熟者だ。

     

     

    どれだけ巧みにパソコンを操れても、『写植職人』の代わりではない。コンピュータだ。

     

    そのことを弁えないと、出来上がる『物』が別物になることを見ない振り、でしかない。

     

    未熟ということ。或いは、『熟する』まで至らないこと。それを自分の中で受け入れた。

     

     

     

    あらゆる業種で職人が淘汰される中、ボクがこよなく愛する『音楽』におけるプロの話。

     

    デジタルが当たり前の時代になって、驚く程の加速で『プロフェッショナル』が減った。

     

    まず、楽器演奏者の激変。好きで上手くなりたくて、皆が凌ぎを削り合った時代は過去。

     

     

    かつて人の個性というものが魅力に直結して、音を聴けば『誰』と判るプロが数多いた。

     

    あの方が亡くなり、あの方も亡くなり、あの人は廃れ、あの人は・・と、変遷が物語る。

     

    今の音楽は、有り体に言えば、『ネタ』次第なのじゃないか、という気がしているのだ。

     

     

    どうすれば売れるか。これがダメならあれ。音楽の本質とは別の商売になったと思える。

     

    いい悪いじゃなくて。アーティスト?名が象徴的で『ネタ切れ』状態。安っぽく薄ぺら。

     

    バンド名なのか、曲のタイトルなのか。分かりゃしないよ。と関心もないので構わない。

     

     

     

    そのような御託を並べるボクの中には、ごく僅かに、『プロフェショナル』の鑑がいる。

     

    ボクが脱帽し、尊敬に値する筆頭は『矢沢永吉』だ。まあ、クセが強い。強過ぎる人だ。

     

    殆どの人には誤解されているような気もするが、そんなことはどうでもいいことである。

     

     

    ボクが魅力に触れて、心踊らされることに感謝するのみ。彼は年齢と共に進化を続ける。

     

    昨年出た『ライブ映像』を観て唖然とした。67歳にして、昔より声が出ているようだ。

     

    そこには、長年積み上げてきた実力に自らが磨きを掛け続ける『見えない努力』がある。

     

     

    プロは、陰の努力などは見せない。すべては『ステージの上』でより輝きを放つことだ。

     

    渡辺貞夫曰く、『プロは白鳥と同じ。水面下では必死だが、水上では優雅に見える』と。

     

    まさに、これがプロフェッショナルのあり方を的確に言い得ている。言い得て妙なのだ。

     

     

     

    そのプロフェッショナルは、あらゆる分野で『絶滅危惧』に瀕しているように思うのだ。

     

    今の子供が一番なりたい職業が『ユーチューバー』だそう。うん、なるほど納得をする。

     

    そういう時代を語る気も萎える。そうなんだ、へえ〜、でお終い。何の感想もないのだ。

     

     

    話を矢沢に戻そう。ただ、話したいだけなのだ。彼は色々な意味で、興味が絶えない人。

     

    広島で被爆二世として生まれ、母親が失踪、祖母の元、極貧の中で育ったのは有名な話。

     

    糸井重里氏が監修し、大ヒットした『成り上がり』という本。中学時代、一気読みした。

     

     

    貧乏→なぜ金がない?→この世は金、となり、ビートルズに衝撃受けて音楽に邁進する。

     

    だが、彼は成功と共に有り余る大金を手にして、『金』の在り方と真摯に向き合うのだ。

     

    波乱万丈な連続の中で、常に学習を怠らない。まさに『ステージの上』ですべてを示す。

     

     

     

    ボクは、彼のデビューを生でテレビで観る幸運を手にした。もはや、伝説になっている。

     

    夕方の生放送、生演奏で衝撃のデビュー。痩せた黒い革ジャン姿に狼のような鋭い眼光。

     

    彼が自分と常に向き合い、問い掛け、あらゆる点と線を結びつける模索の最初の一歩だ。

     

     

    衝撃のデビューがある意味、仇となり、彼のライブは荒れに荒れたらしい。そこからだ。

     

    彼が、その時代の遺恨を見事に払拭したのは、プロとしての誠意だったような気がする。

     

    数十年前から彼のライブは一切飲酒は禁止。老若男女、誰でも同じ条件で楽しめるよう。

     

     

    自分に向けられた刃の痛みを自ら知り、色々なファンの話に耳を傾け、辿り着いた手段。

     

    酒臭い中で苦痛に感じる女性もいる。騒いで周りに迷惑を掛ける人もいる。それは違う。

     

    自分のパフォーマンスが、その類の問題を凌駕さえすればいい。そして彼は歌い続ける。

     

     

    これは、たまたま見つけた映像だが、まだ若かりし頃、これこそ彼のプロとしての仕事。

     

     

     

    このような最近の姿を見るといい年齢の重ね方をしていて、人柄は、『顔』だと感じる。

     

     

     

    先程、昼食を作りながら、人は『常に試されている』ということを改めて肝に銘じたのだ。

     

    続きを読む >>
    category: | by:hallysmilecomments(0) | - | -

    男のいる情景 其の壱・萩原健一

    2017.01.07 Saturday 11:18
    0

       

       

      男というものは、実に『カッコ悪い』生き物だとボクは常々思っている。

       

      痛みに弱いし、特に恋愛、女性など、過去を引きずる傾向がかなり強い。

       

      子供の頃から、『もっと男らしく』とか、『男なら泣くな』と言われる。

       

       

      そう言われ続けて、『男らしく』『強く』なった気になっているだけだ。

       

      弱いから、見栄を張って、ガンを飛ばしたり、肩で風切っていたりする。

       

      そういう『カッコ悪い』ことに気付かずに、思春期などを過ごしている。

       

       

      まあ、凡その人は、いい年齢になってくると、それに気付くものだと思う。

       

      失敗や挫折を繰り返し、その『カッコ悪さ』が『カッコよく』思えてくる。

       

      とても都合のいい生き物なのだ。都合良く、帳尻合わせをして生きている。

       

       

      ボクは、そんな男が好きだ。いつまでも『勘違い』したままなのはどうか。

       

      その昔、『30過ぎの大人は信じるな』と言われた。ヒッピーの時代、か。

       

      アメリカでは『Don’t trust over thirty』と言う。

       

       

      まあ、ロックなんかの世界で言う感じで、いかにも『カッコつけ』である。

       

      そんな若者も、あっという間に『30歳』になり、現実を思い知るだろう。

       

      普通なら、たぶんそう。それを自分の中でどう捉えるかでその後が変わる。

       

       

      男が惚れる『カッコ悪い』男の代表、『ショーケン』こと『萩原健一』だ。

       

      ボクは彼が大好きだ。若い頃は『どうしようもない、ろくでなし』だった。

       

      やんちゃばかりして、逮捕されたり、干されたり、女に捨てられたり、と。

       

       

      彼は、『いつだってカッコ良かった』のだ。ボクの中で矢沢と双璧を成す。

       

      それまでのヒーローと違い、『カッコ悪さ』を曝して、無様さも隠さない。

       

      その『カッコ悪さ』も、『カッコいい』と思わせる、希有な存在だと思う。

       

       

      浮き沈みを経て、還暦も過ぎて、今はいい具合に『渋い』おっさんになった。

       

      白髪混じりの髪、年齢なりに刻まれた皺。負の要素をいい具合に昇華させた。

       

      そんな、男のいる情景がボクは好きだ。『カッコいい』と、にやけてしまう。

       

       

      彼がいかに『カッコ悪く』て『カッコいい』か。歴代の作品を観れば歴然だ。

       

       

       

       

       

       

       

      続きを読む >>
      category: | by:hallysmilecomments(0) | - | -

      Calender
            1
      2345678
      9101112131415
      16171819202122
      23242526272829
      30      
      << September 2018 >>
      Selected entry
      Category
      Archives
      Recent comment
      • 愛することで、生きていられる
        hallysmile
      • 愛することで、生きていられる
        HAWK2700
      • 幻の中の、ポール・マッカートニー
        hallysmile
      • 幻の中の、ポール・マッカートニー
        HAWK2700
      • 好き、という気持ちは力になる
        hallysmile
      • 好き、という気持ちは力になる
        なお
      • うまく息が出来ない、のなら
        hallysmile
      • うまく息が出来ない、のなら
        HAWK2700
      • なぜ生きるのか、考えても意味はない
        hallysmile
      • なぜ生きるのか、考えても意味はない
        HAWK2700
      Profile
      PR
      Recommend
      Link
      Search
      Others
      Mobile
      qrcode
      Powered
      無料ブログ作成サービス JUGEM