謝罪、っていったいぜんたい何だ

2016.06.04 Saturday 17:17
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    日々刻々、どこかで誰かが誰かや何かに『謝罪』をしていることだろう。

    社会的に大きな影響のある場合は、カメラや記者を前に頭を下げている。

    よくある『不祥事』や『犯罪』『不徳』など、色々な『事を起こし』て。
     

    だが、凡その場合、それらは『体裁』であることが多く。真意はどこへ。

    ただ『謝罪をすれば済む話なのか』がいつも疑問に感じられるのは何故。

    そもそも、『謝罪』っていったい何だい。ボクにはその意義が判らない。
     

    かつて、会社勤めをしていた頃の話。ボクはある男に謝罪を要求された。

    病気療養で社会に出たのが遅かったボクは、上司が年下の場合があった。

    その謝罪を求めてきた人物も、年下の上司で、常に対で仕事をしていた。
     

    日がな一日中、一年中、十数年間、彼としか仕事をしていなかった苦痛。

    彼は偏屈者で、会社では浮いていたので、ボクも同類として浮いていた。

    更には『うつ』なども悪化していたので余計に会社で人間関係が拗れた。
     

    社会生活において、どんな仕事であれ、厄介な問題などはなくならない。

    しかし、無能な社長や上層部から執拗にボクは相当に追い込まれていた。

    扱い難い彼と仕事を出来る人はボク以外にいないと、忍耐を強いられた。
     

    彼とは、何度も何時間も色々な話をした。嫌々仕事をするのは不本意だ。

    だが、『どうにもならないこと』が世の中にはあるのだ。憔悴するのみ。

    もはや、『労働など無理な状態』になっても、休職はすぐに却下された。
     

    そんな心身共にボロボロ状態だった最中、その男から突然の謝罪の要求。

    新宿駅南口。何百人が行き交う中、ボクは謝罪の言葉と共に頭を下げた。

    屈辱さえも感じなかった。実際には、『訳が判らない』放心状態だった。
     

    彼曰く『俺の仕事を侮辱した』とのことだった。何のことやらさっぱり。

    その『謝罪』の時まで、ボクは彼に数週間、無視され続け、仕事をした。

    彼に指示されるまま、パソコン画面に集中し、凄まじい量の作業をした。

    ボクは耐えられなくなり、『自分が何か悪いことをしたのか』と訪ねた。

    身に覚えがないことを言われ、『謝罪すれば許す』と言われたのだった。

    おや?『謝罪』って何だい。『謝罪をすれば許す』ってどういうことだ。
     

    その前に『許す』って何だい。もっと対話して納得させろ、と思ったが。

    もうそれ以上、面倒なことは御免だった。雑踏の中、頭を下げ謝罪した。

    その日から、ボクはうつ状態が劣悪になり、ほぼ何も機能しなくなった。
     

    無視するような『陰湿』は、大人げないと個人的に思えてならないのだ。

    だったら、『侮辱された』と感じた時に言えよ。具体的に説明しろよだ。

    それもしないまま、数週間も無視し続けるなんて、仕事にも差し支える。
     

    不安障害も悪化し、満員電車に乗ろうとするだけで、吐き続けるように。

    日本で一番、乗降者数の多い巨大な駅のホームに直に横になったことも。

    誰もが『見ない振りをする』のが東京だ。横では女性が吐いていたりも。
     

    ボクの中で常に『謝罪』という言葉は、あの件のことに連結してしまう。

    連日、テレビ画面の中で、頭を下げて『申し訳ありません』って何だい。

    それで誰が納得をするのか。謝罪をすれば許されるのか。それは体裁か。
     

    ともあれ、人間関係ってヤツは厄介なのだ。判り合えることはあるのか。

    どんなに誠実でいようと、自己対峙をし、自己懐疑の念を持っていても。

    人との繋がりに、確信などない。生きている間は日々学習が続くだろう。
     

    もうこれで安泰、なんてない。肉体が退化し始めても、心に精進を促す。

    そう思いながら、謙虚な姿勢を続けてないと、人の中では生きられない。

    人も社会もお互いの首を絞め合い、煩雑で窮屈な状態に傾れ込む一方だ。
     

    もっとシンプルに、四季折々に触れ、この空を眺められないものなのか。

    呑気なことだと、それも『許されない』のか。おやおや、やれやれ、だ。

    ともあれ、人はなぜ、謝罪をするのか。そんな生き物は、人間くらいだ。
     

    余談だが、舛添がやっているあの見せ物は、『謝罪』をも超越している。

    明らかに確信犯として、『政治のしくみ』の問題をすり抜ける計算尽く。

    人間の醜い欲望を曝す、あの腐った眼差しは許す許さない以前の問題だ。
     

    そういった理不尽なことも、時が過ぎれば過去のことに出来るのが社会。

    だが、『個人』の心においては、それでは済まされない。しこりが残る。

    離職後、先の男に聞くと、『精神破綻しようが関係ない』と言い放った。
     

    彼の仕事を侮辱した覚えはないが、彼の中では『許せない』ことらしい。

    自分は正しいらしいのだが、こちらにとっては『未消化』のままなのだ。

    人の心にナイフを刺しておいて、自分の観念を押しつけて済ませられる。
     

    誰しも他人を傷つけることはあるだろう。だが、謝罪で帳消しになるか。

    彼の理論を逆手に、ボクも彼に『逆に謝罪しろ』と言えば気が済んだか。

    いや、それで済ませる程にボクは自分の心を論理的に捉えられはしない。
     

    折に触れ、『謝罪』との言葉がボクを襲う。それも宿命に違いないのだ。

    当然だが、その男の関係は人の精神状態をコケにした時点で終わらせた。

    ボクの人生において、少なからず影響を及ぼした人間たちと縁が切れる。
     

    これほどに、切ないことはない。でも、現実であり、受け入れるのみだ。



     

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